【AI初心者が学ぶ】LLM使用時のVRAM・RAM容量計算方法|初心者向けフォームで簡単にチェック

【AI初心者が学ぶ】LLM使用時のVRAM・RAM容量計算方法|初心者向けフォームで簡単にチェック

LLMのVRAM・RAM容量計算フォーム

このページでは、LLM(大規模言語モデル)を利用するために必要なVRAM(ビデオメモリ)とRAM(メインメモリ)の容量を簡単に計算できるツールを参考用として作成しました。

LLMを快適に使うためには、パソコンスペックが非常に重要ですが、このフォームを使えば、パラメータ数と量子化精度を入力することで、必要なVRAMとRAM容量を簡単に推定できます。

計算フォーム

モデルの規模を入力します。7Bは「7」と入力してください。


LLMのVRAMとRAM容量計算ツール

LLMのVRAMとRAM容量計算ツール




フォームの使い方と注意点
1. パラメータ数の入力方法
モデルの「パラメータ数」をB単位(例えば、7B)で入力します。
パラメータ数は、LLMモデルの規模を示し、数値は「B」(10億)単位です。

2. 量子化精度の選択
量子化精度」では、FP32(32ビット精度)、FP16(16ビット精度)、INT8(8ビット整数)、およびINT4(4ビット整数)から選べます。
FP32(32ビット精度):
高精度で計算を行うため、VRAMの消費量が最も多い。
高精度が求められるモデルで使用されます。
FP16(16ビット精度):
FP32に比べてVRAM使用量が少なく、計算速度も速くなります。
精度が若干低くなる場合がありますが、計算資源の節約に適しています。
INT8(8ビット整数):
FP16よりさらにVRAMの使用量が少なく、計算速度が速い。
精度が低下する可能性があるため、精度よりも効率が重視されるシナリオで使用されます。
INT4(4ビット整数):
INT8よりもさらに少ないVRAM使用量で、計算速度が最も速い。
精度が最も低くなるため、効率が最優先される場面で使用されます。

3. 計算ボタンを押す
入力が完了したら「計算する」ボタンをクリック。VRAMとRAMの必要容量がGB単位で表示されます。

4. 計算結果の確認
計算後、以下のような結果が表示されます:
推定VRAM使用量: 入力したパラメータ数と精度に基づいて計算されるVRAMの必要量(GB)。
推定RAM使用量: 同様に、RAMの推定使用量(GB)も表示されます。
LLMのファイル名を利用した入力方法
LLMモデルのファイル名には、通常、パラメータ数や精度が含まれています。以下はその例です。

ファイル名例: ELYZA-japanese-Llama-2-7b-fast-instruct.fp16
「7b」: パラメータ数が7B(70億)。フォームに「7」と入力します。
「fp16」: 精度がFP16。フォームで「FP16」を選択します。

ファイル名例: GPT-3-13b-accuracy.fp32
「13b」: 13B(130億)。フォームに「13」と入力します。
「fp32」: 精度がFP32。フォームで「FP32」を選択します。

ファイル名例: BERT-12b-optimized.int8
「12b」: パラメータ数が12B(120億)。フォームに「12」と入力します。
「int8」: 精度がINT8。フォームで「INT8」を選択します。

ファイル名例: TinyBERT-4b-speed.q4
「4b」: パラメータ数が4B(40億)。フォームに「4」と入力します。
「q4」: 精度がINT4。フォームで「INT4」を選択します。

ファイル名例: OptimizedGPT-6b-efficient.q8
「6b」: パラメータ数が6B(60億)。フォームに「6」と入力します。
「q8」: 精度がINT8。フォームで「INT8」を選択します。
数値の表現方法
1. 数値の表現方法
FP(浮動小数点数):
数値を小数や非常に大きな数、小さな数として表現することができます。
数値は「仮数部」と「指数部」に分かれており、幅広い範囲の数値を精度よく表現できます。
FP32(32ビット浮動小数点)は単精度、FP16(16ビット浮動小数点)は半精度として、より少ないビット数で表現可能です。
INT(整数):
数値を整数として表現します。小数点以下を持たないため、表現できる数値の範囲がFPよりも狭いです。
INT8(8ビット整数)、INT4(4ビット整数)は非常に少ないビット数で数値を表現するため、メモリ消費が少なくなります。

2. 精度
FP(浮動小数点数)は、特に小数点以下の精度が求められる計算に向いており、精密な計算が可能です。
INT(整数)は精度が低いため、特に小数点以下を無視するような計算では誤差が大きくなります。

3. メモリ使用量
FPの方が一般的にメモリを多く使用します。FP32は32ビット、FP16は16ビットを使用します。
INTはより少ないビット数を使用するため、同じ数値を表現する際にメモリ使用量が少なくなります。INT8は8ビット、INT4は4ビットで表現されます。

4. 計算速度
INT(整数)は、通常、計算が高速です。特にGPUなどで並列計算を行う場合、INT8やINT4を使うと計算速度が大幅に向上することがあります。
FP(浮動小数点数)は精度が高い分、計算が遅くなる傾向がありますが、FP16はその精度を若干犠牲にしつつも計算速度を向上させる選択肢です。

5. 用途の違い
FP(浮動小数点数)は、精密な計算が必要な科学技術計算、金融計算、ディープラーニングモデルのトレーニングなどに適しています。
INT(整数)は、モデルの推論フェーズやメモリ使用量と計算速度のバランスが求められる場合に適しています。特にINT8やINT4は、スマートフォンなどのリソースが限られたデバイスでの実行に向いています。

注意点

※計算結果はあくまで推測値であることを理解しておく必要があります。以下の点に注意してご利用ください。
計算結果は推測に基づいたものです。モデルの最適化や設定、使用する環境(バッチサイズや並列処理)により、実際のVRAMとRAMの使用量は異なることがあります。

計算方法について

VRAMとRAMの容量計算には、以下のような基本的な計算式を使用しています:

  • FP32の場合(32ビット精度):
    必要なVRAM = パラメータ数 × 4バイト(32ビット = 4バイト)
  • FP16の場合(16ビット精度):
    必要なVRAM = パラメータ数 × 2バイト(16ビット = 2バイト)

これにより、例えばパラメータ数が7Bのモデル(70億パラメータ)でFP16を選んだ場合、必要なVRAMはおおよそ14GBとなります。

計算式
vramUsage = parameters * 4 * Math.pow(10, 9) / (1024 * 1024 * 1024);

パラメータ数parameters)× 4バイト(1パラメータあたりのサイズ)
32ビット(4バイト)を使用する場合、モデル1パラメータあたり4バイトのメモリを消費します。

Math.pow(10, 9)
これは10億(1B)を掛け算しています。parametersが例えば7Bなら、7 × 10^9で、70億という計算です。
/ (1024 * 1024 * 1024)

最後に1024で2回割って、バイトからギガバイト(GB)への変換を行っています。
バイトをギガバイトに変換するためには、1024(バイト→キロバイト→メガバイト→ギガバイト)で割ります。

他の要因の影響

計算結果には以下の要因も影響を与えることがあります:

  • バッチサイズ:一度に処理するデータ量が多いほど、必要なメモリも増えます。
  • 並列処理:複数のGPUやCPUを使う場合、メモリ使用量が変動します。
  • モデルの最適化:精度を犠牲にしてメモリ使用量を減らす最適化が施されている場合、実際の使用量は異なる場合があります。

パラメータ数とは?

LLMにおける「パラメータ数」は、モデルが学習した重みやバイアスの数です。パラメータ数が多いほど、モデルはより複雑で精度の高い推論を行いますが、その分メモリと計算資源を多く消費します。

量子化精度(FP32 vs FP16)の違い

量子化とは、計算で使用する数値の精度を下げることです。
LLMでは、通常、32ビット浮動小数点(FP32)を使って計算されることが多いですが、これを16ビット浮動小数点(FP16)に変更することができます。

FP32(32ビット浮動小数点): 精度が高く、より細かい計算が可能です。しかし、計算量やメモリ使用量が大きくなるため、リソース消費が増えます。

FP16(16ビット浮動小数点): 計算精度はやや低くなりますが、その分メモリ使用量が少なく、処理速度が向上します。主にGPUなどのハードウェアでは、FP16を使うことで効率的な計算が行えるため、より多くのパラメータを取り扱うことができます。

最後に

このフォームを使うことで、LLMを使用するために必要なVRAMRAM容量の目安を得ることができますが、実際のメモリ使用量は様々な要因によって変動することを理解しておくことが重要です。

計算結果を参考にしつつ、実際に使用する環境や設定に合わせて最適なPCスペックを選んでください。

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